社会における行政システムの基盤となることが期待される。具体的には以下のような目的に利用されることになろう。
* 住民基本台帳事務の効率化、広域化
* 行政機関における本人確認への利用
* 行政手続における住民票の写しの添付の省略
* 住民サービスの利便性の向上
以上ような利用の拡大を実現するためには、市町村間で閉じたネットワークにすべきではないことは明らかである。また、住民基本台帳コードを全国民の認証・識別コードとして利用する方向を検討すべきであろう。
(4)統一識別コード導入の方法
?@ コード付与方式
国民の大多数又は全員に統一個人識別コードを付与する方法として、住民登録を基礎とする方式(いわゆる、北欧方式)と、社会保険番号を基礎とする方式(いわゆる、米国方式)の2つがある。この両方式を比較すると、以下のような観点から、住民登録を基礎とする方が適切であると考えられる。
* 統一コードは、国民に関する基本情報である、氏名、住所、生年月日、性別の基本4情報と連結されて初めて、行政サービスの有効な手段となることから、日本ではこれらの情報が常に更新される仕組となっている住民基本台帳をべースとすることが望ましい。
* この識別コードは、限りなく、国民全員に付与することが必要であることから、被保険者の登録を中心とする年金番号では限界がある。
?A 既存コードとの連携
この個人コード及びそれにリンクした4情報は国民の社会生活にとって最も基本となる情報であり、これが行政サービスを受ける際の識別コードになることから、この個人コードは、個人情報の保護を前提として、地方公共団体間の利用にとどめず、国・地方を含めた横断的、縦断的利用が可能でなければならない。
ただし、この場合、運転免許、旅券、自動車登録、社会保険、税等の既存のアプリケーションにおいて付与されている個人番号をこの新たな個人コードに移行することは、莫大な労力とコストを要するものと考えられる。また、既存のコード体系には、
前ページ 目次へ 次ページ